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引っ越した最初は、とてもなじめず落ち着かない気持ちで過ごしていてもやがて慣れてくると
居心地がよくなってきます。
95歳で亡くなった老人が、病気で退院した際帰りたいと思ったのは、自分の家ではなく住み
慣れた老人ホームでした。
「遠くの親戚より近くの他人」と昔から言いますが、親しいスタッフに囲まれて暮らすのが一
番の居心地の良さだったのでしょう。
何か頼みごとをしたお礼にあげるものは、お礼の言葉と缶コーヒー。
うどん屋の店主だった老人は嫌いな食べ物が、麺類。自分の商売に関するものが嫌いな食べも
のになるケースは結構ありますよね。
繁盛店を経営していた老人に商売の秘訣を聞くと、別に何もないと答えるそうです。つゆは、
頼めば持ってくる。麺も頼めば持ってくる。天ぷらも持ってくる。何かうまいものを作る工夫
でもしていたのかと聞くと、うどんを食べている客の表情と、食べ残しがどれくらいあるかを
見ていた。後はそろばんをはじいていたと言うそうです。
商売の基本は、地域特性を考え、地域にあったサービスを心がけることだということです。
最初肉体労働者の多い地区で商売を始めたので、ボリュームのあるメニュー作りを心がけたと
いいます。商売の勘所は、色々あって、この老人は食事をする客の顔色を見ながら顧客満足度
をはかっていたのですね。決して麺の打ち方とか、天ぷらのあげ方とかではなかったわけで
す。
それでお客の食べるときの表情を見て匙加減をしていたというわけです。
そば打ち道場というのがありますが、こだわるところが違うと物の見方も行動も変わってきま
す。
この老人は、この位のものでないと困るというという判断基準が決まっていたのではないかと
思います。当然ですね。
そば打ち名人を目指すのではなく販売することに専念した考え方を知り、そういうものかとボ
ンヤリして受けとめ、そば打ち名人を目指しそうな私です。自己満足派です。
