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子どもの頃、我が家のカレーといえばバーモントカレーでした。
りんごとハチミツの優しい甘さ、あの慣れ親しんだ香り。カレーの日は、それだけでちょっと嬉しかったのを覚えています。
大人になってから、「そろそろ大人の味を知りたい」と思い、スパイシーなジャワカレーに挑戦してみたことがあります。
結果から言うと──やっぱり私は、バーモントカレーの方がうまいと感じました。
これは「大人になりきれていない」ということなのか。それとも、単に好みの問題なのか。
そんな疑問をきっかけに、バーモントカレーとジャワカレーが生まれた背景や、辛さの違い、両方の良さを活かす食べ方まで、カレー好きの視点で調べてまとめてみました。
「大人向けのカレーに憧れつつ、結局いつもの甘口に戻ってしまう」という方には、きっと共感していただけるはずです。
バーモントカレーとジャワカレーの基本的な違い

「子どもと食べたい」から生まれたバーモント、「大人の本格派」を目指したジャワ
実は、この2つのカレーは生まれた背景からしてまったく違います。
1950年、日本で初めて固形カレールーが登場しました。
でも当時のお母さんたちには、ひとつ悩みがあったそうです。
「辛いカレーは、子どもと一緒に食べられない」。
そこで開発されたのが、りんごとハチミツで仕上げたまろやかなバーモントカレーでした。
小さな子どもからお年寄りまで、家族みんなで同じ鍋を囲めるカレー。それが最初のコンセプトだったんですね。
一方のジャワカレーが生まれたのは、それから約20年後の1968年。
【画像:バーモントカレーとジャワカレーのパッケージ比較】
外食文化が広がり、「レストランで食べるような本格的なカレーを、家でも味わいたい」という声が増えてきた時代でした。
その声に応える形で、スパイシーで深みのある大人向けカレーとして誕生したのがジャワカレーです。
つまり、バーモントは「家族みんなの安心の味」、ジャワは「大人のための刺激と本格感」というように、そもそも狙っていた読者(食べる人)が違ったわけです。
これを知ってから、子どもの頃バーモントに慣れ親しんでいた私が、大人になってジャワに惹かれたのも、ある意味自然な流れだったんだなと感じました。
なぜ「ジャワ」という名前になったのか
ちょっと余談ですが、「ジャワカレー」の名前の由来もおもしろいんです。
これは、南国風の辛いカレーというイメージから、南の島「ジャワ島」の名前を取って名付けられたそうです。
発売当時のCMも、実際にジャワ島でロケが行われたのだとか。
ただ、実はジャワ島に「カレー」という料理そのものは存在しません。
あくまで「南国=スパイシーで大人な味」というイメージ戦略として名付けられたネーミングだったんですね。
本場の味を再現した、という意味ではなく、パッケージや商品名からも「大人向け」という空気を演出することが重視されていたのだと思うと、なんだか納得できる気がします。
オリエンタルカレーやグリコワンタッチカレーとの違い
バーモント・ジャワ以外にも、昔から親しまれてきたカレールーはたくさんあります。
たとえば「オリエンタルカレー」は、本格的なインドカレーの味をレトルトで家庭に届けることを目指して作られた商品。
スパイスの香りを守るための製法にこだわり抜いた、いわば「本格派」寄りのブランドです。
一方「グリコワンタッチカレー」は、味の方向性よりも「手軽さ」に重きを置いた商品でした。
板チョコの製造技術を応用し、削らずにそのまま鍋に入れられる固形ルーを開発したことが最大の特徴です。
こうして見ていくと、各社・各ブランドは単に「甘い・辛い」という味の違いだけでなく、「誰のために」「何を解決するために」作られたかというコンセプトそのものが違うことが分かります。
バーモントとジャワの違いも、この延長線上にあると考えると分かりやすいかもしれません。
そもそも、カレーの味の違いはどこから生まれるのか
最後に、そもそも論として「カレールーの味の違い」が生まれる理由にも触れておきます。
市販のカレールーの味は、主に次のような要素の配合バランスで決まります。
- スパイスの種類と配合比率(辛み・香りのもと)
- 油脂や小麦粉の量(コクや後味の重さに影響)
- 玉ねぎの炒め方や副原料(あめ色玉ねぎ、生クリームなど)
- 甘みや丸みを出す原料(バーモントはりんごとハチミツ、ジャワは乳製品とチャツネ)
同じ「カレールー」というくくりでも、これだけ多くの要素が絡み合って、あの独特の個性が生まれているんですね。
【画像:カレールーの原材料表示の写真】
バーモントとジャワ、辛さはどれくらい違うのか

同じ「甘口」でも、辛さの感じ方はブランドで違う
「バーモントの甘口だから安心」「ジャワの甘口なら子どもでも食べられるはず」
そう思って選んだのに、思ったより辛かった……という経験はありませんか。
実はこれ、思い込みではありません。
ハウス食品では、〈甘口〉〈中辛〉〈辛口〉というブランド内での辛さの目安とは別に、全ブランド共通の「辛味順位」という指標が用意されています。
この指標で見ると、バーモントカレー〈甘口〉は辛味順位「1」であるのに対し、ジャワカレー〈甘口〉は辛味順位「3」と、同じ「甘口」でも表示順位が異なります。
つまり、ジャワカレーの〈甘口〉は、バーモントカレーの〈中辛〉に近い辛さがある、ということなんですね。
【画像:辛味順位表のイメージ図】
目安は「バーモント辛口=ジャワ甘口」くらいの体感
実際に食べ比べてみた人たちの声を追っていくと、面白い共通点が見えてきます。
バーモントカレー〈辛口〉と、ジャワカレー〈甘口〉は、体感としてほぼ同じくらいの辛さに感じられる、という声が複数見られました。
子どもの頃バーモント〈甘口〉に慣れていた人からすると、ジャワの〈甘口〉ですら「ちょっと辛い」と感じるケースもあるようです。
私自身、大人になってジャワカレーに挑戦したとき、「甘口を選んだはずなのに、思ったよりスパイシーだ」と感じた記憶があります。
今振り返ると、これはブランドごとの辛味順位の違いによるものだったんだな、と納得できました。
これからジャワカレーに挑戦してみたい方は、まず〈甘口〉から試してみて、それでも物足りなければ〈中辛〉に進む、というくらいの気持ちで選ぶと失敗が少ないかもしれません。
家族で辛さの好みが分かれるときの選び方
家庭によっては、「子どもは甘口がいいけど、大人はスパイシーな方がいい」というように、辛さの好みが分かれることもあると思います。
そんなときは、無理に1種類のルーで揃えようとせず、次の章で紹介する「ブレンド」という選択肢を試してみるのもひとつの方法です。
甘口と辛口、それぞれの良さを活かしながら、家族みんなが満足できる一皿に近づけることができます。
両方の良さを活かす「ブレンド」という選択肢

定番は「ジャワ中辛+バーモント甘口」
バーモント派かジャワ派か、そのどちらかを選ばなくてはいけない、というわけではありません。
実際にカレー好きの間でよく紹介されているのが、2つのルーを組み合わせる「ブレンド」という食べ方です。
なかでも定番とされているのが、ジャワカレー〈中辛〉とバーモントカレー〈甘口〉を組み合わせるパターン。
ジャワの持つスパイシーさと深いコクはそのままに、バーモントのりんご・ハチミツの甘みが加わることで、辛さがまろやかになりながらもコクは失われにくい、という声が多く見られました。
「大人向けの本格感は欲しいけれど、家族みんなで食べられる優しさも残したい」という、まさにいいとこ取りの組み合わせです。
辛さを抑えたいとき/コクを足したいときの調整方法
ブレンドの割合は、好みに合わせて調整できるのも魅力のひとつです。
辛さを抑えたいとき
ジャワカレーのルーを通常より少なめにし、その分お湯で薄めてから使う方法があります。
辛さを抑えつつ、ジャワらしいスパイスの香りは残しやすいので、「辛いのは苦手だけど、大人の風味は楽しみたい」という方に向いています。
【画像:ルーを少なめにして溶かしている調理写真】
コクや刺激を足したいとき
逆に、バーモントをベースにして、ジャワを少量だけ加える方法もあります。
甘口ベースの優しさを残しながら、大人の刺激を少しだけプラスしたいときにぴったりです。
我が家がバーモント派なのかジャワ派なのか、ベースにする側を軸に考えると、味の方向性を決めやすくなります。
「どちらか選べない」人にこそ試してほしい理由
私自身、ジャワカレーに挑戦してみて「やっぱりバーモントの方がうまい」と感じた側の人間です。
でも、このブレンドを知ってからは、無理に「大人の味に卒業しなきゃ」と思う必要はないのかもしれない、と感じるようになりました。
バーモントの安心感を軸にしながら、ジャワのスパイシーさを少しだけ借りる。
そんな作り方をすれば、子どもの頃から好きだった味を否定することなく、新しい美味しさに出会うこともできます。
好みは変わらなくていいし、無理に変える必要もない。ブレンドは、そんな気づきをくれる食べ方だと思います。
まとめ
最後に、今回の内容を振り返っておきます。
- バーモントカレーは「家族みんなで食べられる甘さ」、ジャワカレーは「大人向けの本格的な辛さ」を求めて、それぞれ違う目的で生まれたカレールーです
- 同じ「甘口」表記でも、ジャワカレーの方が辛味順位は高く、バーモントの〈辛口〉とジャワの〈甘口〉が近い辛さになります
- どちらか一方を選ばなくても、ブレンドすることで両方の良さを一皿で楽しむことができます
子どもの頃から好きだった味を、大人になったからといって無理に卒業する必要はない。
そんなふうに思わせてくれたのが、今回のバーモントとジャワの食べ比べでした。
もし「うちはどっち派だろう?」と気になった方は、ぜひ一度ブレンドを試してみてください。
きっと、これまで気づかなかった新しい美味しさに出会えるはずです。
\ 家庭のカレー、次はこんな視点でも楽しんでみませんか /
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