「厚揚げって、結局は豆腐と油揚げの
いいとこどりなんでしょ?」
そう聞いたことがある人は多いと思いますが、
実際のところ栄養面で何がどう違うのか、
きちんと説明できる人は意外と少ないものです。
この記事では、健康を意識しながら節約もしたい、
そして調理の時短もしたい、というあなたのために、
豆腐・油揚げ・厚揚げの栄養の違いから、
高齢者に向いている食品なのか、
揚げだし豆腐とは何が違うのか、
忙しい日の時短メニューまで、
専門用語をできるだけ使わずに
わかりやすく解説していきます。
厚揚げは豆腐と油揚げの「いいとこどり」なのか

結論から言うと、厚揚げは豆腐よりも
たんぱく質・カルシウムが多く摂れる食材です。
具体的な数字で見てみると、たんぱく質量は
絹ごし豆腐が100gあたり5.3g、
木綿豆腐が7.0gなのに対して、
厚揚げは10.7gとかなり多く含まれています。
カルシウムについても、厚揚げは100gあたり240mgと、
牛乳の110mg、ヨーグルトの120mgよりも
多いというデータがあります。
つまり厚揚げは、豆腐が持つ植物性たんぱく質や
大豆イソフラボンといった栄養に、
「揚げる」というひと手間が加わることで、
たんぱく質とカルシウムがぎゅっと凝縮された、
豆腐の栄養をより濃くしたような食材、
と考えるとイメージしやすいはずです。
ここで一つ注意しておきたいのは、
油で揚げている分、カロリーと脂質は
木綿豆腐や絹ごし豆腐よりも高くなる、
という点です。
「いいとこどり」というのは、あくまで
たんぱく質・カルシウムの面での話であって、
カロリーゼロで栄養だけ増える、
という意味ではないということは、
素人向けの記事として最初に
正直に伝えておいたほうが信頼されやすいでしょう。
厚揚げは高齢者に向いている食品か
結論から言うと、厚揚げは工夫次第で
高齢者にも向いている食品だと言えます。
理由は先ほど紹介した栄養面にあります。
年齢を重ねると、どうしても肉や魚の量が減り、
たんぱく質やカルシウムが不足しがちになりますが、
厚揚げなら植物性のたんぱく質と
カルシウムを一品でまとめて摂ることができます。
実際に、自治体の栄養士会が作成している
高齢者向けの低栄養予防レシピの中にも、
厚揚げを使った煮びたしなどが
紹介されているケースがあります。
栄養指導の現場でも、厚揚げは
決して特別な食材ではなく、
日々の食事に取り入れやすい
定番の一品として扱われているわけです。
ただし、そのまま高齢者に出すのではなく、
いくつか工夫を加えるとより食べやすくなります。
まず一つ目は、油抜きをすることです。
熱湯を回しかけるだけで、余分な油が落ちて
胃もたれしにくくなります。
二つ目は、小さめに切ることです。
厚揚げはそのままだと厚みがあるので、
薄めに切るか、一口大にカットしておくと、
噛む力が弱くなってきた方でも
食べやすくなります。
三つ目は、煮る調理を選ぶことです。
だし汁でやわらかく煮ることで、
表面はふっくら、中まで味が染み込み、
固いものが苦手な方でも
無理なく食べ進めやすくなります。
このように、厚揚げそのものは
高齢者に向いた栄養を持ちながらも、
「油抜き」「小さめカット」「やわらかく煮る」
という3つの工夫を添えることで、
より安心してすすめられる一品に
なると言えるでしょう。
揚げだし豆腐と厚揚げは何が違う?

居酒屋の定番メニューでもある揚げだし豆腐と、
厚揚げを使った料理は、
見た目も味もよく似ているため、
「同じものでは?」と思う方も多いはずです。
ですが、この二つには
はっきりとした違いがあります。
揚げだし豆腐は、生の豆腐に片栗粉をまぶし、
その場で油で揚げてから、
だしのきいたつゆをかけて仕上げる料理です。
一方の厚揚げは、豆腐をあらかじめ
工場やお店で厚めに切って揚げてある、
いわば「揚げた状態の豆腐」そのものを指します。
つまり揚げだし豆腐は「作り方の名前」であり、
厚揚げは「食材の名前」という違いがあります。
この違いが、そのまま調理の手間の差にもつながります。
揚げだし豆腐を一から作ろうとすると、
豆腐の水切り、片栗粉をまぶす工程、
油で揚げる工程が必要になり、
油の温度管理や後片付けも含めると、
それなりに時間と手間がかかります。
これに対して厚揚げは、すでに
揚げてある状態で売られているため、
フライパンで焼き色をつけて、
だしのきいたつゆをかけるだけで、
「揚げだし豆腐風」の一品が
驚くほど簡単に完成します。
揚げる工程を丸ごと省略できるので、
油はねの心配や後片付けの手間もなく、
味の仕上がりも、揚げたてのカリッとした食感こそ
本家には及ばないものの、
外は香ばしく、中はしっとりとした
十分満足感のある一品に仕上がります。
「揚げだし豆腐を食べたいけれど、
揚げるのは面倒」という方にとって、
厚揚げはまさにちょうどいい
代用品と言えるでしょう。
忙しい日の時短・手抜き厚揚げメニュー
厚揚げのいいところは、栄養面だけでなく、
調理の手軽さにもあります。
ここでは、忙しい日でも
無理なく作れる時短メニューを
パターン別に紹介していきます。
レンジだけで完結するレシピ
厚揚げは、油抜きから調理まで
レンジ一つで済ませることができます。
耐熱皿に厚揚げをのせてラップをかけ、
数分加熱するだけで、
余分な油が落ちてやわらかく仕上がるので、
そこにポン酢やめんつゆをかければ、
それだけで一品が完成します。
洗い物もフライパン要らずで、
耐熱皿だけで済むのも嬉しいポイントです。
ワンパンで5分あれば作れるレシピ
フライパン一つで、切って炒めるだけの
スピードメニューもおすすめです。
たとえば厚揚げにカレー粉とバターを絡めて
炒めるだけのレシピは、
調味料はたった2種類なのに、
食欲をそそる味わいに仕上がります。
火が通りやすい厚揚げならではの、
5分程度で完成するスピード感は、
「もう一品欲しいけど時間がない」
という場面で特に重宝します。
煮込み時間を短縮できるレシピ
厚揚げは、普通の豆腐と違って
煮崩れしにくいという特徴があります。
そのため、豚肉や玉ねぎと一緒に
さっと煮るだけの煮物でも、
長時間煮込まなくても味がしっかり染み込み、
ボリュームのある一品に仕上がります。
「煮崩れを気にしながら弱火でコトコト」
という手間が省けるのは、
厚揚げならではの時短ポイントです。
冷凍保存を使った時短ストック術

厚揚げは、まとめ買いしておいて
冷凍しておくこともできます。
冷凍すると水分が抜けて食感が変わり、
だしがよりしみ込みやすくなるので、
味噌汁や煮物、鍋の具材として使うときに、
かえって使い勝手が良くなります。
忙しい日のために、あらかじめ切って
冷凍ストックしておけば、
「切る」という工程すら省略できるので、
さらに時短につながります。
厚揚げの保存方法と日持ちの目安
厚揚げをまとめ買いしたときに気になるのが、
どのくらい日持ちするのかという点です。
一般的に、厚揚げの消費期限は
5日ほどとされており、
冷蔵の生鮮食品としては
決して長くはありません。
一度パックを開封したら、
なるべく早めに使い切ることが大切です。
冷蔵保存する場合
表面に出ている水気や油分を
キッチンペーパーで軽くふき取り、
ラップをぴったりと密着させるように包んでから、
保存袋に入れて冷蔵庫で保存します。
ただし、正しい方法で保存しても
長期間もつわけではないため、
冷蔵保存はあくまで
数日以内に使い切る前提と考えておきましょう。
冷凍保存する場合
使い切れないときは、
冷凍保存が便利です。
一口大にカットしてから
保存袋に入れて冷凍しておけば、
味噌汁や煮物、鍋物、炒め物など、
使いたいときにそのまま活用できます。
冷凍すると多少食感は変わりますが、
だしがよりしみ込みやすくなるため、
かえって煮込み料理と相性が良くなる、
というメリットもあります。
「安いときにまとめ買いしておきたいけれど、
使い切れるか不安」という方は、
購入後すぐにカットして冷凍しておく習慣をつけると、
無駄なく使い切ることができます。
まとめ:一品で栄養も時短も叶える厚揚げ活用法
ここまで見てきたように、厚揚げは
「豆腐と油揚げのいいとこどり」と言われるだけあって、
たんぱく質やカルシウムを効率よく摂れる、
栄養面で優秀な食材です。
工夫を加えれば高齢者にも向いており、
揚げだし豆腐風の一品も揚げずに手軽に作れて、
忙しい日にはレンジやワンパンで
あっという間に一品が完成します。
冷凍保存を活用すれば、
まとめ買いしても無駄なく使い切れるので、
節約・時短・健康という3つの悩みを、
まとめて解決してくれる心強い味方です。
「今日は一品で済ませたい」という日こそ、
冷蔵庫の厚揚げを思い出してみてください。

