「ラムとマトンの違いって何?」スーパーやレストランでお肉を選ぶとき、こんな疑問を持ったことはありませんか?
実は、この2つには味や香り、栄養価に明確な違いがあります。
そして、それを知るだけで、料理がもっと楽しく、選ぶ楽しみも広がります。
本記事では、ラムとマトンの基本的な違いから、それぞれの特性を活かしたおすすめの選び方まで、分かりやすく解説します。
「どちらを選べばいいかわからない」というお悩みを解決し、肉選びのプロになれる秘訣をお届けします!
ラム肉とマトン肉の基本的な違い
ラムとマトンの定義と特徴
「ラム肉」と「マトン肉」はどちらも羊肉ですが、羊の月齢により明確に区別されます。
ラムとは、生後12ヶ月以下の仔羊の肉を指し、その特徴は柔らかい肉質とクセの少ない風味です。
一方、マトンは生後24ヶ月以上の成羊の肉で、旨みとコクが強く、独特の濃厚な味わいを楽しめます。
この違いは、肉の色にも現れ、ラム肉はピンクがかった赤色、マトン肉は濃い赤色をしています。
年齢による区分と違いが生まれる理由
ラム肉とマトン肉の違いは、羊の年齢による体質の変化に大きく依存しています。
生後、およそ12ヶ月以下の羊(ラム)は成長過程にあるため、筋肉がまだ柔らかく、脂肪に含まれる「フィトール」という成分も少ないことから、クセやにおいが抑えられています。
一方で、成羊(マトン)は12ヶ月を超える頃から筋肉が引き締まり、フィトールが増えることで、独特の風味やにおいが強くなります。
このため、食感や風味の好みによって選ぶ肉が変わってきます。
ラム肉の柔らかさとマトン肉の旨味
ラム肉とマトン肉の最大の違いはその柔らかさと旨味にあります。
ラム肉は筋繊維が細かく柔らかいので、食べやすく、クセの少ない優しい風味が特徴です。
初めて羊肉を食べる方やジンギスカン初心者には特におすすめです。
一方、マトンは成熟しているため筋肉が引き締まってきますが、その分、凝縮された旨味とコクが楽しめます。
マトンを使うと、深い味わいが求められるカレーや煮込み料理が格別になります。
産地や文化の違いによる食べ方の変化
ラム肉とマトン肉の食べ方や人気は地域や文化によって異なります。
例えば、日本では臭みが少なく柔らかいラム肉が好まれるため、ジンギスカンやステーキに使われることが多いです。
一方、マトン肉は中東やインド、アフリカなどで広く親しまれています。
これらの地域では、マトンの強い旨味を活かしてスパイスを効かせたカレーや煮込み料理がよく作られます。
また、ニュージーランドのように羊の飼育が盛んな地域では、ラムもマトンも新鮮な状態で流通するため、それぞれの良さを活かしたさまざまな食べ方が楽しまれています。
ラム肉とマトン肉の味や風味の違い
ラム肉のクセの少なさと食べやすさ
ラム肉は羊の肉の中でも、生後12ヶ月以下の仔羊の肉を指し、その柔らかさとクセの少なさが特徴です。
一般的にヒツジ肉は臭みがある印象を持つ方もいますが、ラム肉の場合、そのような心配はほとんどありません。
脂肪に含まれる「フィトール」という成分が少ないため、臭みがなく、初心者でも食べやすいのが魅力です。
また、ピンクがかった鮮やかな色味が特徴で、口当たりが軽く淡泊な味が多くの方に好まれます。
この食べやすさから、ジンギスカンを初めて楽しむ方にはラム肉が特におすすめです。
ラムとマトン どっち が 高い
ラムとマトンのどちらが高いかというと、一般的にはラムが高価になることが多いです。
これは、柔らかさやクセの少なさで初心者から上級者まで幅広い層に人気があるためです。
また、ラム肉は生後12ヶ月以下の羊肉と非常に限定された期間でしか得られないため、希少性がその価格に反映されています。
一方で、マトンは生後24ヶ月以上の羊肉であり、供給量も多く、価格帯がリーズナブルになる傾向があります。
ただし、産地や部位、品質によっても価格差が生まれるため、目的に合わせた選び方が重要です。
ラムとマトンの栄養の違い
ラム肉とマトン肉は栄養成分にも違いがあります。
ラム肉はL-カルニチンが豊富に含まれており、100gあたり約80mgと、脂肪燃焼をサポートする成分をたっぷり含んでいるため、ダイエット中の女性にも人気です。
一方、マトン肉はラム肉よりもさらに多くL-カルニチンを含み、100gあたり約200mg。運動をする方やスタミナをつけたい方にはマトンが向いているかもしれません。
また、マトン肉は旨味成分が強いため、煮込み料理などでしっかりと味わうことができます。
どちらの肉も鉄分やタンパク質、必須アミノ酸が豊富で、低カロリー高タンパクという点で健康に良い選択肢といえます。
ラムとマトンの間
ラム肉とマトン肉の間に位置する羊肉は「ホゲット」と呼ばれます。
ホゲットは生後12ヶ月以上24ヶ月未満の羊の肉で、ラムの柔らかさとマトンの旨味を兼ね備えているため、両者の良さをバランスよく楽しめる点が特徴です。
ホゲットは日本ではあまり一般的ではありませんが、海外、特にニュージーランドやオーストラリアでは親しまれています。
その味わいはラムよりもやや濃く、マトンほどのクセがないため、羊肉好きには新たな発見として好まれることが多いです。
ジンギスカンをより深く楽しみたい方は、このホゲットを試してみるのもおすすめです。
ラムとマトンの食感の違い
ラムの柔らかさとジューシーさの秘密
ラム肉は、生後12ヶ月未満の仔羊から得られる若い肉のため、その肉質が非常に柔らかいことが特徴です。
これは、成長が浅く筋繊維がまだ細いためであり、噛んだときにジューシーさを強く感じられる理由でもあります。
また、脂肪分が適度に含まれていることから、調理しても肉が乾燥しにくく、しっとりとした食感を楽しめるのが特徴です。
この特性とその淡泊な風味から、初心者でも親しみやすい羊肉として人気があります。
ジンギスカンをはじめ、ステーキやローストといったシンプルな調理法でもラムの良さを存分に引き出すことができます。
マトンの噛みごたえと旨味の特徴
マトン肉は、生後24ヶ月以上経った成羊の肉であり、その成長に伴う筋繊維の発達によって、しっかりとした噛みごたえが感じられます。
加えて、濃厚な旨味が肉全体に染み渡っており、ラムでは味わえない奥深いコクを楽しめるのが特徴です。
特に、焼き物や煮込み料理で加熱することで、凝縮された風味が引き立ちやすくなります。
その反面、筋や脂肪に蓄積されたフィトールという成分が独特な香りを生み、苦手と感じる人もいるかもしれません。
しかしこの香りは、スパイスやハーブをふんだんに使用した調理でうまく調和させることにより、羊肉ならではの魅力として味わえるようになります。
ジンギスカンに使われるラムとマトンの違い
ジンギスカンの料理においては、ラムとマトンのどちらも使用されますが、その味わいは明確に異なります。
ラム肉を使ったジンギスカンは柔らかくジューシーで、臭みが少ないことから、初めてジンギスカンを食べる方でも楽しみやすいです。
一方、マトン肉を使用した場合は、噛みごたえのある食感と濃厚な旨味が特徴的で、より「羊肉らしい」味わいを求める方に好まれる傾向があります。
また、どちらを選ぶかで使用する調味料や焼き具合を変えることで、それぞれの特性を活かした美味しさを引き出すことができます。
特に北海道のジンギスカン店では、ラム肉とマトン肉が選べることが多く、それぞれの違いを楽しむことができます。
ラムとマトンのおすすめレシピ紹介
焼き料理:ジンギスカンやバーベキュー
焼き料理はラムやマトンの魅力を引き出す定番の調理法です。
ジンギスカンは、薄切りにしたラム肉やマトン肉を専用の鍋で焼き上げる北海道発祥の料理で、特にラムは柔らかくクセが少ないため初心者にもおすすめです。
バーベキューでは、ラムチョップをシンプルに塩胡椒で味付けして焼くと、そのジューシーな味わいを楽しめます。
一方、マトンは噛みごたえと濃厚な風味が特徴なため、シーズニングやマリネ液で下味をしっかりつけることでその旨味が引き立ちます。
煮込み料理:カレーやシチュー
煮込み料理は、マトンの風味を活かしたい方に特に向いている方法です。
スパイスでじっくり煮込むマトンカレーは代表的な一品で、長時間の調理によって肉が柔らかくなり、濃厚な旨味が引き出されます。
一方、ラムは短時間の煮込みであっさりした味わいと柔らかさを楽しむことができます。
ラムシチューは、野菜やハーブと一緒に煮込むことで、ラム肉特有の淡泊な味わいがマイルドに仕上がり、お子さまにも人気のメニューになるでしょう。
香辛料を活かした調理テクニック
ラムやマトンのにおいが気になる場合、香辛料を活用した調理方法がおすすめです。
例えば、クミンやコリアンダー、ガラムマサラなどのスパイスはにおいを抑えつつ、肉の風味を引き立てます。
ラム肉にはローズマリーやタイムといったハーブを使用すると爽やかな香りが加わり、より食べやすい味わいになります。
マトンを調理する際には、ヨーグルトやワインに漬け込むことで肉自体が柔らかくなるとともに、においも軽減され風味豊かな仕上がりになります。