サツマイモを使った甘いおやつとして親しまれている「大学イモ」。
ですが、その名前に「大学」という言葉が含まれている理由や、どのような背景で生まれたかを知っている人は少ないのではないでしょうか。
この記事では、大学イモがどのようにして誕生し、なぜ「大学」と名づけられたのかを詳しく解説します。
大学イモの起源と名前の由来
大学イモの歴史と呼び名のいわれには、いくつかの説があります。
その起源と名前には、学生と深い関わりがあるとされています。
大学イモは、大正時代から昭和初期にかけて学生街で特に人気がありました。
東京の学生街での人気
大学イモは東京の学生街で非常に人気を博したおやつでした。
特に、経済的に苦しい大学生にとって、安価でボリュームのある食べ物として好まれていました。
その手軽さと甘さが学生たちの心を掴んだのです。
大学生による販売説
大学イモの名前の由来として、大学生自身が学費を稼ぐために販売していたという説があります。
昭和初期の不況の時代、多くの大学生が学費をまかなうためにこの手軽に作れるスナックを販売していたと言われています。
「大学生が大学いもを売って生活を支えていた」という背景が、その名前に影響を与えた可能性があります。
東京大学の赤門前の店
さらに著名なのは、東京大学の赤門前にあった「三河屋」という店です。
この店で販売されていた大学イモが特に学生たちの間で人気を集め、その名を広めたとされています。
三河屋は1940年(昭和15年)まで営業していましたが、この店が大学イモの発祥の地として語り継がれています。
東京大学という知名度も、大学イモの名前の由来に一役買ったと考えられています。
大学イモが広まった背景
大学イモは、大正時代から昭和にかけて、日本全国で親しまれるようになりました。
この背景には、手軽に作ることができるという点が大きな要因として挙げられます。
当時は現在のように豊富な食材が手に入るわけではなく、おやつとしても手軽で経済的なものが求められていました。
さつまいもはその頃から多くの家庭において親しまれる食材であり、大学イモはこのさつまいもを使った手軽なレシピとして、広まっていったのです。
大正時代から昭和にかけて手軽に
大正時代から昭和にかけて、大学イモは非常に手軽に作れるお菓子として知られるようになりました。
この時期は、経済的に困難な状況も多く、さつまいもを使った安価な料理が人々に歓迎されていました。
大学イモの特徴である外はカリッと、中はホクホクとした食感は、多くの人々に愛され、おやつや軽食、おかずとしても楽しまれたのです。
学生街では特にこの手軽さと価格の低さが魅力となり、若い学生たちによって好まれ、広まったと考えられています。
戦後の食糧難時代サツマイモが安かった
戦後の日本において、食糧難は多くの人々にとって深刻な問題でした。
そんな中で、さつまいもは栄養価が高く、安価で手に入る貴重な食材として重要な役割を果たしていました。
特に、栄養補給が必要な時代において、大学イモのように甘味を加えて手軽に食べられる料理は、栄養素の補給に役立ちました。
食卓に並ぶ機会が増えた大学イモは、特に甘いものが貴重だった時代には人々を楽しませ、お腹を満たしてくれる重要な料理として位置付けられていました。
冷凍大学イモ
現代では、大学イモは冷凍食品としてコンビニやスーパーで簡単に手に入れることができます。
冷凍技術の進化により、大学イモの美味しさをそのままに保存し、いつでも手軽に楽しむことができるようになりました。
大学イモの歴史と呼び名のいわれを持つ日本の伝統的なお菓子が、こうした形で現代の生活に溶け込んでいることは、日本の食文化の柔軟性を象徴していると言えるでしょう。
コンビニやスーパーで買える
冷凍大学イモは、全国のコンビニやスーパーで手軽に購入できます。
特に冷凍食品のコーナーでよく見かけるようになり、忙しい現代人にとって便利で手軽なおやつとして人気です。
大学イモは揚げたさつま芋に糖蜜を絡めたものですが、この美味しさを冷凍技術で閉じ込めているため、いつでも新鮮な味わいを楽しめます。
自宅で手軽に大学生街の味を再現できるのも魅力の一つです。
おかずになるか
大学イモは伝統的にはおやつとして親しまれていますが、その甘じょっぱい味わいから、おかずとしてもアレンジが可能です。
特に、主菜の付け合わせや、和風の創作料理として活用される場面が増えています。
フライドポテトの代わりや、サラダのトッピングとしてアレンジすることもできます。
また、大学イモが持つ栄養価の高さから、バランスの取れた食事の一部として取り入れることができます。
ただし、カロリーや糖質には注意を払いながら楽しむと良いでしょう。
このように、大学イモはおやつだけでなく様々なシーンで活躍する一品です。